2018年09月15日

犬や猫の飲水量はどのくらい??

こんにちは。
獣医師の清水です。
先日我が家の愛犬『はな』に、新しい水用食器を買いました。
今までは陶器の食器を使っていましたが、新しい食器は『2億4000万年前の地層から産出された天然希土類やトルマリン等様々な鉱石を含む鉱物と、バイオセラミックスを焼成して作られた人工機能石から作られており、これが器の中の飲物等の味に微妙な変化を与えて、まろやかにします。』とのこと。
はなは体が小さいので、飲水量も少ないです。
量の違いはわかりにくいのですが、おいしくたくさん水を飲んでくれたらいいなと思っています。
そこで今回は、『水』についてをお話します。

 

体の中の水

水は、動物の体を構成する成分の、およそ60~70%を占めています。
先日リンパマッサージセミナーを行いましたが、そこでポイントとなった『リンパ液』も体の水分の一部です。
動物は、体脂肪やタンパク質が体重の10%程度失われても生存可能ですが、水分が体重の数%失われると健康に障害が起こり、10%以上失われると生命を維持することが難しくなり、死亡します。
そのため、常に新鮮な水を飲める環境を心がける必要があります。
そして年を重ねるにしたがって、体の水分量は減っていきます。
高齢になればなるほど、飲水量は体のためにも、病気の早期発見のためにも重要になってきます。

 

犬や猫の飲水量は?

水分は排泄(糞・尿)や呼気による肺からの蒸散、唾液、発汗などによって失われていきます。
失われた水分は、飲み水、食事中の水分、代謝水(体内で栄養素が代謝された結果、生まれる水)によって補給されます。
飲水量は、食事の水分含有量(ドライフードかウェットフードか、などによって異なります)や環境温度、湿度、あるいは運動や労働、ライフステージ(授乳期など)によって影響を受けます。
大体の目安として、水として飲む量は
犬で40~60ml/㎏
猫で20~45ml/㎏
一般に、犬猫共に体重1㎏につき100mlを越す飲水量は過剰であり、何らかの病気を示唆していると言われています。

 

おいしく水を飲むポイントは、食器の素材・形・置く位置!!

食器の材質や形が嗜好性に影響する可能性もあります。
最もおすすめの食器は陶器製で、続いてガラス・プラスチック・ステンレスの順です。
フード用と水用が一体になった食器は、フードが湿り嗜好性が低下するので注意が必要です。
また、犬や猫の体型やサイズに合わせて、食べやすい形の食器を選んだり、適切な高さ(前足の付け根位)に食器を置いてあげることも重要です。
猫の場合は、流水が好きだったり、水道から出してしばらくした水が好きだったり、ひげが当たるような食器を嫌がったり、いろいろな好みがありますね。
寒い季節になると、関節が傷んで立ち上がりにくいために飲水の回数が減って飲水量が低下したり、水飲み場が遠いことも飲水量の低下につながります。
その場合には水飲み場の数を増やしてあげましょう。
また食事に水(ぬるま湯)や鶏やかつおぶしなどのだしスープを足してあげても良いでしょう。

季節の変わり目は体調の変化が起こりやすくなります。
体を大切にして過ごしていきましょう!

獣医師 清水

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