2019年02月17日

2月12日に川崎市動物愛護センターの新施設が開業しました!

こんにちは。

獣医師の清水です。

先日、今季初の雪が降りワクワクしましたね。

でも、すぐに溶けてしまって残念でした 😉

 

さて、今回は『2月12日に川崎市動物愛護センターの新施設が開業しました!』です。

当院は横浜市にありますが、10分ほど歩けば川崎市になり、川崎市在住の患者さまもたくさんいらっしゃいます。

そこで、2019年1月12日(土)朝日新聞に掲載された『神奈川県、横浜、川崎などの犬猫の殺処分について』の記事と合わせて、神奈川県内の殺処分についてや、新しく開業する動物愛護・保護センターについてをお伝えしたいと思います!

 

神奈川県(動物保護センター)は、犬は5年間、猫は4年間「殺処分ゼロ」です!

この文言からは、「神奈川県は素晴らしい!」と思ってしまいませんか?

しかし、細かくみてみると、いろいろなことが浮かび上がってきます。

神奈川県内には、神奈川県と横浜、川崎、横須賀の3市で、合わせて4つの動物愛護・保護センターがあります。

県が宣言する殺処分ゼロは、独自の動物保護施設がある横浜、川崎、横須賀の3市と、相模原市、藤沢市、茅ヶ崎市と寒川町を管轄区域外として除いた数値になっています。

2017年度、全国で殺処分された犬は8362匹、猫は3万4865匹です。

横浜市動物愛護センターでは17年度、犬29匹、猫390匹を殺処分。

横須賀市動物愛護センターでは17年度、犬1匹、猫3匹を殺処分しました。

川崎市動物愛護センターでは17年度、犬の殺処分ゼロを達成しており、猫も減らしています。

神奈川県動物保護センターは犬猫共に殺処分ゼロです。

このため県全体のおおよその年間殺処分件数は犬が30匹、猫が400匹近くというのが実態です。

(各愛護・保護センターのホームページの事業概要に詳細が載っています)

 

殺処分ゼロにするためには?

では、各自治体が殺処分ゼロを『目標』に掲げている中、なぜ神奈川県は殺処分ゼロを『継続的に達成』出来ているのでしょうか?

2017年度、神奈川県動物保護センターで収容した犬は354匹、猫は442匹。

このうち県民へ譲渡された犬は、19匹、猫は9匹。

ボランティアに譲渡された犬は127匹、猫は369匹でした。

(残りは飼い主の元に戻ったり、収容中に亡くなったりしたそうです)

ここから神奈川県の殺処分ゼロは、ボランティアの活動がとても貢献しているということがわかります。

このボランティアとは、収容された犬や猫を引き取り、各地で譲渡会などを開いたりして、新しい飼い主を探す活動をしている方々です。

しかしこのボランティアも、みなさんが大きな預かり施設を持っているわけではなく、個人宅で預かる場合も多いため、次から次へと収容される犬猫をどんどん引き受けるわけにはいきません。

ですから、センター主体の譲渡会を行い、センターから直接新しい飼い主に譲渡するルートが必須なのです。

犬猫を家族に迎えようとする時には、ペットショップに行く前に、まず各自治体の動物愛護センター・動物保護センターのホームページなどで『譲渡対象の犬猫コーナー』をぜひ見てみてください。

そして、ボランティアも、ホームページやSNSに、新しい家族を募集している子を紹介していたりしますよ。

しかし何より、飼い主は最期まで責任を持って飼うこと。

どうしても飼えなくなった場合には、飼い主が責任を持って新しい飼い主を探しましょう。

これがセンターに収容される犬猫がなくなることにつながり、一番重要なことと言えます。

 

動物を処分するための施設ではなく、生かすための施設として

川崎市動物愛護センターは、3年前に院長と当院スタッフで見学に伺わせていただいたことがあります。

スタッフの方々が、高齢犬のお世話を優しくされていたのが印象的でした。

そして、1974年に作られた同センターは、今年2月12日に「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」として中原区に新施設が開業しました。

神奈川県は1972年に出来た同センターを「動物を処分するための施設ではなく生かすための施設」として建て替え、今年4月に開所(平塚市)する予定です。

また災害時には迷子動物や負傷動物の一時保護施設としても活用する計画になっています。

ちなみに横浜市は2011年に新しい愛護センターが建てられました。

 

川崎も横浜も譲渡会を行っていたり、見学も出来ます。

ぜひご自分の目で見て、よりよい動物との生活が出来るように知ることから始めてみましょう!

 

獣医師 清水

 

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