2019年07月01日

『高齢者とペット』セミナーに出席してきました!

こんにちは!
獣医師の清水です。
今日から7月です。
じめじめのお天気も苦手ですが、夏の暑さも堪えます 😥
今のうちにしっかり休んで体調を整えておきたいですね。
さて、今回は真面目なお話です。

高齢者とペットと動物病院

先日ANIMAMALLかわさき(川崎市動物愛護センター)で行われた【人生100年時代の『高齢者とペット』問題を考える】セミナーに出席してきました。
動物病院は【動物の診療施設】ですが、飼い主が一人暮らしの高齢者の方の場合や、ご家族で入院される方がいるためにペットホテルを希望されるなど、高齢化社会を意識する場面は多々あります。
私は母が民生委員をしており、地域社会として高齢者や認知症の方をサポートする姿勢があることを聴いていました。
そして今回このセミナーがあることを知り、参加することにしました。

考えさせられる内容でした

今回の講師は、朝日新聞で社会保障(介護保険など)を担当されている記者の方です。
その方が書かれた、今年1月21日朝日新聞『介護保険とペット』は1面記事になりました。
ペット関連の記事が1面に載ることは、稀なことだそうです。

この記事では、『介護保険のサービス提供で、ペットの扱いにケアマネージャーらが苦慮する事態が広がっている。介護保険サービスでペットの世話をすることは認められていない。だが、高齢者と動物の福祉は切り離せなくなっている』とあります。
介護保険は、家族の存在を前提にした、人のための制度です。
しかし現実にはいろいろな問題があります。
「飼い主がペットの世話をできないから、ヘルパーが頼まれる」
「独り暮らしを続けて行くことが困難になり、親戚の近くに引っ越しをするがペットをどうしたらよいかわからない」
「施設入居を勧めたが『猫と離れたくないから嫌だ』と強く拒否」など
これらの問題を高齢者である飼い主が解決することは難しく、現場のケアマネージャーやヘルパーが困ってしまう事態になるのです。
そこで東京都では豊島区で、平成30年8月から介護保険サービスと保険外サービス(ペットの世話・実費)を組み合わせて利用できる『選択的介護(混合介護)』をモデル事業として開始しました。
横浜市や川崎市に関しては、調べてみましたがよくわかりませんでした。

「人生100年時代」と言われます。
今の60歳の25%は95歳まで生きる。
2025年 65歳以上の認知症の人 約700万人
2040年 一人暮らしの高齢者   896万人
ペットと老後、介護、認知症、生活困窮、孤立…。
これらの対策には、ペットと①家族、②国・自治体、③企業・民間、④ボランティア・地域との関わりが重要です。
方法や解決策は手探りですが、人とペット両方と関わる動物病院として、地域での取り組みを進めていく必要性を感じました。

ペットの存在とは?

セミナー後半に行われた質疑応答では、「高齢になったら、ペットはペットロボットで良いのではないか」との意見もありました。
残されたペットのことを考えると、そのような選択肢もありかもしれません。
しかし、ペットのぬくもりや柔らかさ、香りはロボットにはない安らぎを与えてくれると、私は感じています。
人が家族のつながりを保ち、何かあった時にペットも含めて助け合えるような未来になることを願います。

いざという時のために

飼い主が不慮の事故や病気により正常な判断が困難な状況となった場合、正常な判断が出来るまでの飼育管理の委託先や、死亡した場合の譲渡先、ペットの情報などを記入できる誓約書』(かわさき犬・猫愛護ボランティアリーフレット作成委員会)をいただいてきました。
記入して冷蔵庫に貼ってあるだけで、ペットも関わる人も助けてくれるものです。
ご興味のある方、ご希望の方は、当院スタッフまでお声掛けください。

引用:2019年1月21日朝日新聞

獣医師 清水

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