2019年01月07日

寒いこの時期は、体を温めましょう♪

こんにちは。

獣医師の清水です。

年末年始、みなさんはどのように過ごしましたか?

新年会で、私は娘と姪っ子と、バドミントンをしました。

公園の砂利での久しぶりのバドミントンで、足がガクガクになりました 😛

 

まだまだ寒いこの季節。

寒さと言えば、関節が痛くなることも多いですね。

ヒトと同様に「多くの犬猫が関節疾患を患っている」と言われているんですよ。

 

関節疾患のサインは?

・歩きたがらない

・スムーズに立ち上がれない

・以前ほど遊ばなくなった

・歩くのが遅くなった

・歩き方がおかしい

・元気がない

・肢に触れると痛がる

・階段の上り下りがつらそう

・動作が鈍くなった

1つでも気になることがあれば、要注意です!

 

関節痛の原因としては様々な要因がありますが、冬の寒い時期には、《血行不良》が挙げられます。

寒さによって血行が悪くなると、周辺の筋肉まで硬くなってしまうため、《腰》や《ひざ》《肩》といった、よく動かす部位には、いつも以上に大きな負担がかかってしまうのです。

当院でも、急に寒くなった12月から関節痛のワンちゃんが多くなりました。

症状が出ていれば、痛み止めの注射や飲み薬、サプリメントなどで治療をします。

しかし、関節炎は一度発症すると落ち着くことはあっても治癒することはなく、生涯にわたり管理が必要なのです。

 

日常のケアにはマッサージがおすすめ!

当院では、リハビリの一環としてマッサージを行なっています。

犬は元々膝や股関節など関節にトラブルを抱えている子が多くいます。

そこに加齢や体重増加、寒さなどが加わると関節炎の症状が悪化します。

今マッサージにいらっしゃってくださるワンちゃんは、ポメラニアンやトイプードルなどの小型犬が多いのですが、1~3週間毎に定期的にマッサージを受けている子は、冬になっても様子が落ち着いていましたね。

冬の関節炎は寒さによる血行不良が原因なので、マッサージの前には《あずき》で患部をしっかり温めて、血行を良くしてからマッサージやストレッチを行います。

初回は初めての体験で不安になっていた子も、2回目からは私に背中を向けて、リラックス♬

その子の性格や体の状態に合わせたマッサージを行い、飼い主さまによるおうちでのマッサージ方法もお伝えします。

マッサージ・リハビリテーションは予約制で、平日午前中に承っています。

2回セットでお得な《お試しのマッサージコース》もご用意していますので、高齢の子や関節が気になる方はお気軽にご相談くださいね!

獣医師 清水

 

 

 

 

 

2018年11月01日

わんちゃんやねこちゃんに『有害な植物』があるんです!

こんにちは。
獣医師の清水です。
秋も深まってきましたね。
散歩をしていると、ミカンや柿などがたくさん実っていて、「いい季節だな~♪」と感じます。
さて、これから紅葉がきれいな季節ですが、わんちゃんやねこちゃんに『有害な植物』があることは知っていますか?

わんちゃんねこちゃんに『有害な植物』って何!?

わんちゃんねこちゃんの『玉ねぎ中毒』は有名ですね。
でも観葉植物の中にも、わんちゃんやねこちゃんに嘔吐、心臓麻痺、痙攣などの中毒を起こすものが多くあるんですよ。
有名なものは、
アサガオ(種子)
アジサイ(植物全体)
スイセン(植物全体、特に球根)
チューリップ(球根)
ヒアシンス(球根)
ポインセチア(茎、葉)
ユリ(植物全体)
などがあります。
これらは中毒を起こす植物の一部ですので、その他の観葉植物にも注意が必要です!

まとめ

先日「家にススキを飾っていたら、ねこちゃんが食べてしまいました!」と相談を受けました。
ススキは有毒ではありませんが、ねこちゃんはイネ科植物、特に背の低いイネ科植物(通称:ネコ草)が好きなので、仲間のススキも気になったのかもしれません。
これからの季節には、ポインセチアを飾る方もいらっしゃると思います。
おうちの中に植物があれば、一度有害な植物でないか調べてみて、わんちゃんやねこちゃんが触れないような場所に置くなど、安全に生活できるように気を付けてあげてください。

獣医師・清水

2018年10月29日

『日本臨床獣医学フォーラム年次大会2018』に参加してきました!

こんにちは。
獣医師の清水です。

9月下旬に、日本で最大級とも言える獣医学セミナー『日本臨床獣医学フォーラム年次大会2018』に参加してきました。
これは、今回で第20回を迎えるセミナーで、日本だけでなく海外からも講師の先生がいらっしゃり、貴重な講義を聴くことが出来るものです。
獣医師・動物看護士・トリマー向けのセミナーだけでなく、飼い主様向けの市民プログラムやワークショップ(フロッタージュやタロット占い、介助犬体験などたくさん!)もあり、動物に関わるたくさんの方が学び楽しめる内容になっていました。
3日間の内、今回は1日しか行けなかったのですが、今担当させていただいているリハビリテーションや整形外科疾患、神経疾患についての5つのセミナーを聴いてきました。
 
2019年は、9月25日(水)~29日(日)まで『FASAVA-TOKYO2019・第10回アジア獣医師大会-どうぶつとの暮らしを考えるフォーラム―』として、大規模に行われるそうです。
市民プログラムなどはまだ未定のようですが、ご興味ある方は2019年の初夏くらいに調べてみてくださいね。

リハビリテーションやマッサージにいらっしゃるわんちゃん達に、今回のセミナーで得た内容を生かしていきたいと思います。

獣医師・清水

2018年09月15日

犬や猫の飲水量はどのくらい??

こんにちは。
獣医師の清水です。
先日我が家の愛犬『はな』に、新しい水用食器を買いました。
今までは陶器の食器を使っていましたが、新しい食器は『2億4000万年前の地層から産出された天然希土類やトルマリン等様々な鉱石を含む鉱物と、バイオセラミックスを焼成して作られた人工機能石から作られており、これが器の中の飲物等の味に微妙な変化を与えて、まろやかにします。』とのこと。
はなは体が小さいので、飲水量も少ないです。
量の違いはわかりにくいのですが、おいしくたくさん水を飲んでくれたらいいなと思っています。
そこで今回は、『水』についてをお話します。

 

体の中の水

水は、動物の体を構成する成分の、およそ60~70%を占めています。
先日リンパマッサージセミナーを行いましたが、そこでポイントとなった『リンパ液』も体の水分の一部です。
動物は、体脂肪やタンパク質が体重の10%程度失われても生存可能ですが、水分が体重の数%失われると健康に障害が起こり、10%以上失われると生命を維持することが難しくなり、死亡します。
そのため、常に新鮮な水を飲める環境を心がける必要があります。
そして年を重ねるにしたがって、体の水分量は減っていきます。
高齢になればなるほど、飲水量は体のためにも、病気の早期発見のためにも重要になってきます。

 

犬や猫の飲水量は?

水分は排泄(糞・尿)や呼気による肺からの蒸散、唾液、発汗などによって失われていきます。
失われた水分は、飲み水、食事中の水分、代謝水(体内で栄養素が代謝された結果、生まれる水)によって補給されます。
飲水量は、食事の水分含有量(ドライフードかウェットフードか、などによって異なります)や環境温度、湿度、あるいは運動や労働、ライフステージ(授乳期など)によって影響を受けます。
大体の目安として、水として飲む量は
犬で40~60ml/㎏
猫で20~45ml/㎏
一般に、犬猫共に体重1㎏につき100mlを越す飲水量は過剰であり、何らかの病気を示唆していると言われています。

 

おいしく水を飲むポイントは、食器の素材・形・置く位置!!

食器の材質や形が嗜好性に影響する可能性もあります。
最もおすすめの食器は陶器製で、続いてガラス・プラスチック・ステンレスの順です。
フード用と水用が一体になった食器は、フードが湿り嗜好性が低下するので注意が必要です。
また、犬や猫の体型やサイズに合わせて、食べやすい形の食器を選んだり、適切な高さ(前足の付け根位)に食器を置いてあげることも重要です。
猫の場合は、流水が好きだったり、水道から出してしばらくした水が好きだったり、ひげが当たるような食器を嫌がったり、いろいろな好みがありますね。
寒い季節になると、関節が傷んで立ち上がりにくいために飲水の回数が減って飲水量が低下したり、水飲み場が遠いことも飲水量の低下につながります。
その場合には水飲み場の数を増やしてあげましょう。
また食事に水(ぬるま湯)や鶏やかつおぶしなどのだしスープを足してあげても良いでしょう。

季節の変わり目は体調の変化が起こりやすくなります。
体を大切にして過ごしていきましょう!

獣医師 清水

2018年09月03日

マッサージセミナー開催しました!!

みなさん、こんにちは☀

台風も近付くなか、昨日9/2(日)当院ではマッサージセミナーを行いました🐕

幸い、朝の土砂降り雨も止んで穏やかな天気のなかで開催することができました。

 

今回は主にリンパを意識したマッサージを体験して頂きました。

リンパをマッサージすることは、動物にとって良い効果がたくさん!!

①免疫を高める:病気にかかりにくい強い体をつくる

②疲労回復:疲れ、だるさの元になる老廃物を体外に排出

③コリの解消:肩、首などのコリの原因となる乳酸を運び出す

④スリミング効果:むくみを解消し、リフトアップする

⑤肌力を高める:排出機能で肌トラブルを解消する

⑥ストレス解消:ストレスで緊張した神経を穏やかにする   、、、などなど

 

セミナー中は、リンパが滞りやすい場所やお家でもお試しいただける簡単なマッサージ方法などを口頭で説明させていただいた後、

実際にリンパマッサージをしていただきました、、、

IMG_0132 IMG_0131

やさしく声をかけながら行うことで、わんちゃん達も安心してマッサージを受け入れてくれます✋

来院当初は緊張して少し興奮気味だったわんちゃん達も、マッサージ効果で徐々にリラックス🍂

IMG_0134

セミナーが終わるころには、うっとりしてお腹を見せてくれる子もいました🐶

お互いマッサージに慣れてくると、更にリラックスしてくれると思いますよ♪

今回お越しいただいた皆様、足元の悪いなかお越し頂きましてありがとうございました!!

セミナーに来れなかった方もマッサージについて、気になる方はいつでもご相談ください!!

(※平日の午前中はリハビリ担当の獣医師:清水もおります)

 

ふじさわ🐼

2018年08月05日

冷房で冷え切った体や酷暑による運動不足におすすめ!!【愛犬リンパマッサージセミナー】のお知らせ♪

みなさん、こんにちは!
獣医師の清水です。

前回の獣医師ブログで、「今年の夏は酷暑になる予想です」とお伝えしましたが、その通りになりましたね 😎
しかしまだ8月は始まったばかりです!
夏祭りや花火大会など、熱中症に気をつけて、夏を楽しみましょう!

9月の院内セミナーは【愛犬リンパマッサージセミナー】です!

わんちゃんと一緒に参加して、全身のリンパマッサージを実践してみましょう!
リンパマッサージは、むくみの解消や、免疫力のアップ、アンチエイジングに効果的です。
普段何気なく撫でていることを、より気持ちよく、より効果的になるように、マッサージを覚えてみませんか?
どうぞお気軽にご参加ください!!

 

日時:2018年9月2日(日)14時~(約1時間)

場所:美しが丘動物病院 待合室

定員:6組

参加費:1500円(税込)

※わんちゃん同伴可
※要予約(ご予約やお問い合わせは診察時間内にお願い致します)

ご予約はこちら→ 美しが丘動物病院 ☎045-532-3737

なお、当日の診察は12時30分まで と変更させていただきます。

 

当院ではわんちゃんのマッサージやストレッチ、リハビリテーションを行っております。
膝にトラブルをかかえていて歩くことが負担になっている、13歳のわんちゃんがいました。
しかし、マッサージや筋力トレーニングにより、元気にお散歩に行けるようになりました!
初めてのマッサージは心配だな、マッサージに慣れていないなどの場合には、2回コースの【お試しマッサージコース】がおすすめです。
マッサージとトレーニングのセットコースや、お得なリハビリ回数券もご用意しております。
若くても体や関節に痛みがある、シニアになってきたから体の調子を整えてあげたい等、ご心配なことがございましたら、お気軽にご相談ください。

IMG_7808

獣医師 清水

 

2018年07月04日

獣医師BLOG~今年の夏は酷暑に!お散歩前の5秒ルール&熱中症対策~

こんにちは。
獣医師の清水です。

あっという間に梅雨が明け、夏本番ですね!
気象庁による5月25日現在の予想では、『今年の夏は平年より気温は高く、酷暑となる見込み』としています。
万全な熱中症対策と体調管理が必要になりそうですね。
暑さが苦手な私は忍耐の夏になりそうです 😥

さて今回は、【今年の夏は酷暑に!お散歩前の5秒ルール&熱中症対策】をお伝えします。

お散歩前の5秒ルール

真夏のアスファルトは50~60℃にもなります。
犬は地表から近い場所にいますので、私達人間よりも暑さを直接的に感じることになります。
また、この熱いアスファルトの上を歩くと犬の肉球は火傷をしてしまいます。
最近は、気温の上昇も以前とは比較にならないので、夕方 陽が落ちてからもアスファルトの温度はなかなか下がりません。
そこで、外に出たら一番熱そうなアスファルトに5秒間、自分の手の甲をつけてみてください!
5秒間しっかりと地面に手をつけることが出来たら、お散歩OKです。
つけられない場合は、気温が低い時間帯にするか、犬用の靴を履かせてあげてください。
夏のお散歩は、朝早い時間(5時から7時くらいまで)や、日が沈んでしばらく経ってからがおすすめです!

熱中症とは?

高温環境下で体温の調節機能が破綻するなど、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れて発症する障害の総称です。

犬はヒトに比べて体が地表に近いため、地面の照り返しを受けやすく、体内に熱を溜めてしまいます。
暑くても犬は汗をかかず、舌を出して息を吐く『パンティング』(あえぎ)と呼ばれる呼吸方法で、熱を逃がし、体温を調節しています。
しかし、外気温が高いと体内外の熱交換がうまくできないため、体温の調節がうまくいかず、さらに激しくパンティングを行います。
パンティングは呼吸に関与する筋肉が繰り返す激しい運動のため、体内に熱がこもって熱中症になってしまうことがあり、死に至ることもあります。

特に被毛が厚い犬種や鼻が短い犬種、肥満犬、老齢犬は要注意です。
老齢犬で、心疾患から呼吸器症状を患っている子は、状態の悪化がみられることがあります。
なかでも雨の降った後の蒸し暑い日や、気温が低くても湿度の高い日には十分に注意して散歩を行う必要があります。
体温の上昇を防ぐためには、こまめな水分補給と休憩が必要です。

症状は?

41℃以上の高体温、あえぎ呼吸、興奮、呼吸困難、意識混濁、出血性の下痢や嘔吐、無尿、けいれんなど。

救急処置は?

まず涼しい場所に移動し、休ませましょう。
(病院の犬舎のエアコン設定は、24℃くらいです)
そして、体温を下げるために、首や脇の下・内股などの太い血管が走る場所に、冷やしたペットボトルやタオル・保冷剤などを当てます。
決して体に水をかけて、体温を下げることはしないでください。
うまく回復すれば、あえぎ呼吸などの症状が落ち着いてきます。
救急処置後に異常を感じた場合には、早めに受診しましょう。

まとめ

我が家のはなは、とても小さいヨークシャーテリアです。
ヨークシャーテリアはイギリス原産の犬種ですが、温かい被毛の構造にはなっていないので、はなは寒がりです。
エアコンをいれて私たちには快適な温度(27℃設定)にしていても、自らブランケットにくるまったり、 エアコンの冷気が来ない部屋に行ってしまったりします。

熱中症の予防には涼しい部屋が基本になりますが、
体の小さい動物たちには冷え過ぎになってしまう場合もありますね。
逆に大型犬や寒い地方原産の犬種では24℃設定でも暑いかもしれません。
動物たちがその時々で快適に過ごせるように、調節してあげましょう。

参考文献:犬と猫の老齢介護エキスパートブック 若山正之著 interzoo

獣医師 清水

2018年06月06日

わんちゃん・ねこちゃんの食器もキレイに!

こんにちは!
獣医師のしみずです。

先日区役所に、愛犬はなの狂犬病予防注射の手続きに行きました。
その時に窓口にあったリーフレットに、この時期にぴったりの文言があったのでご紹介します。
それは・・・

食器はいつもキレイに!

使い終わった食器には唾液や食べかすが残っています。
毎回洗い、乾燥させて清潔に保ちましょう。

資料:環境省 ペットフードについて考えよう!!~あなたができること~

わんちゃんもねこちゃんも、食中毒に気を付けましょう!

5月に入ってから、皮膚や耳の病気で来院される方が増えました。
気温の上昇や湿度の変化、エアコンのカビなどいろいろな影響が考えられます。
そして、気温の変化は食中毒にも影響します。
缶詰などのウェットフードの置きっぱなしをしないように気を付けることはもちろんですが、食べ終わった食器の衛生管理が不十分なことでお腹を壊してしまう場合もあるんですよ。
これから梅雨を迎え、その後は暑くなりますね。
体調管理が難しくなりますので、食器を清潔に保って、少しでも心配な要素を減らしていきましょう!

獣医師しみず

2018年03月09日

環境省『人とペットの災害対策ガイドライン』における、災害時の『同行避難』と『同伴避難』とは?

こんにちは。
獣医師しみずです。

今年の3月11日で、東日本大震災から7年になります。
昨年秋に仙台市のお隣、名取市閖上(ゆりあげ)に行ってきました。
慰霊碑に手を合わせ、かさ上げ工事が進む中、流された歴史ある松林の跡地にたくさんの松の苗木が植えてあるのを見ました。
日曜恒例の朝市はにぎわっていて、焼魚のいい香りがしていました。
(魚屋さんの裏には、買った魚介類をすぐに焼いて食べることが出来る場所が用意してあるんですよ)

改訂された環境省『人とペットの災害対策ガイドライン』における、災害時の『同行避難』と『同伴避難』について

さて、災害時にペットと避難する時のシュミレーションをしたことはありますか?
先日環境省は、熊本地震の課題をふまえて今までの避難指針を改訂し、『人とペットの災害対策ガイドライン』を発表しました。
今までも環境省は、災害時にはペットと飼い主の『同行避難』を推奨していました。
しかし、今回の改訂ではその『同行避難』と『同伴避難』についての考えが整理されています。

『同行避難』は、『ペットと一緒に安全な場所まで避難する行為(避難行動)』
『同伴避難』は、『被災者が避難所でペットを飼養管理すること(避難状態)』

今回の改訂では、災害時はペットと『同行避難』することが基本にあるとしつつ、『同行避難が、避難所でペットと一緒に過ごすことを意味するものではない』と言うことが明確化されました。
これは、同行した飼い主が避難場所でペットと一緒に過ごせるかどうかは、避難所ごとに判断され、状況によっては在宅避難も選択肢となるということです。
つまり『災害時もペットとの避難は飼い主が責任を持つことであり、そのためにも日頃からの準備が重要である』としています。

飼い主として、日頃からペットのために何をしておいたらよいのでしょうか?

<飼い主が行うべき対策の例>
・住まいや飼養場所の防災対策
・ペットのしつけと健康管理
・不妊・去勢処置
・ペットが行方不明にならないための対策(鑑札・迷子札・マイクロチップ等による所有者明示)
・ペット用の避難用品や備蓄品の確保
・避難所や避難ルートの確認等の準備
・避難所以外の避難先やペットの預け先の確保
・飼い主同士の共助のためのコミュニケーションと良好な関係の構築
・避難訓練への参加と家族単位の避難訓練(シュミレーション)の実施
・携行できるペット情報のまとめ(治療記録、ワクチン接種歴など)

<災害時>
・人とペットの安全対策
・避難が必要な際のペットとの同行避難
・避難所や応急仮設住宅におけるペットの適正飼養(飼育マナーの遵守と衛生管理、ペットの健康と安全の確保等)

いかがですか?
また、基本的な予防接種やノミダニの予防、ケージで過ごすことが出来るということも必要なことですね。
当院でマイクロチップは入れることが出来ますので、ご希望の方はお問い合わせください。
改訂版の『人とペットの災害対策ガイドライン』は、環境省の動物愛護管理室ページで公開されています。
ぜひご覧ください。

ちなみに…

私は『みんなに可愛がられるペットに育てる』と言うテーマで、我が家のはな(ヨークシャーテリア・3歳)を育てています。
例えば、近所の方や小さいお子さんでも撫でることが出来る子。
はなは1.3㎏の極小犬なので、お子さんには頭でなく背中を撫でてもらうようにしています。
まだ2歳になったばかり位のお子さんでも、「優しくなでてあげてね」と言うと、穏やかになでてくれます。
それによって、『清水さんちのワンちゃん』から『はなちゃん』と認識してもらうことが出来ます。
近所の方から、犬好きを一人でも増やすことがはなの使命であると考え、家族で日々『犬活』をしています(笑)

性格的にシャイな子もいますね。
そういう場合は、毎日お散歩に行くことで地域の方と顔を合わせ、ペットを地域の一員として認めてもらうことが、いざという時の助けになると思います。

まとめ

緊急避難時、人だけでも大変な中、ペットは飼い主の精神的肉体的な負担になったと言うデータがあります。
しかし、時が経つにつれペットの存在は人の心の安らぎになったというデータもあります。
大切な家族のために、この機会に考えてみましょう。

しみず

2018年03月07日

犬の理学リハビリテーションセミナーを受講してきました!

こんにちは。
獣医師しみずです。

さて、先日1週間のお休みをいただき、米国テネシー大学公式認定『犬の理学リハビリテーションセミナー』(CCRP育成プログラム)に参加してきました。

ワンちゃんやネコちゃんの理学リハビリテーションは、 獣医療先進国である米国でも急速に関心を集めているんですよ。

リハビリテーションとは何でしょう?

リハビリテーションというと、『けがをしたときや病気の回復後に行うもの』というイメージが強いですよね。

でも、広い意味では『何らかの理由で能力低下、機能低下した状態から改善するよう働きかけること全般』を指します。

また医療・介護の現場では『病気やけがで動きの鈍くなった筋肉などに働きかけて、従来の動作に近づけること』を指します。

気付いていなくても、実は?!

日々診察していると、飼い主様が気付いていないけれど腰痛や関節痛、筋肉痛を持っているワンちゃんネコちゃんは少なくありません。

トイプードルやヨークシャーテリア、ポメラニアンなどの小型犬は、膝蓋骨脱臼(膝が外れやすく、スキップをしたりします)するこはとても多いです。

ラブラドールレトリーバーなどの大型犬は、股関節の形成不全が多く、お尻を振って歩いたり、本当は思いっきり走りたいのに走ることが出来ない…なんていうこも。

またお歳をとってくると、慢性的な腰痛や関節痛に悩まされて…というのは人だけではありません。

ネコちゃんで、昔は高い所にピョーンと飛び乗れたのに最近は乗らないなんて言う時は、関節が痛いのかもしれません。

痛みを軽減する方法は、痛み止めのお薬を飲む以外にも、おうちでできるケアもあります。

お気軽にご相談ください!

シニアになって立ち座りがしにくそう、お散歩中にスキップをよくする、筋肉がこっているのかな…などのお悩みがありましたら、獣医師しみずか看護師ふじさわにお気軽にご相談ください。

体を触ったりレントゲン撮影によって関節や筋肉、関節の屈伸出来る程度などをチェックし、温熱療法やマッサージ、バランスや筋力トレーニングなどを行い、おうちの生活やお散歩についてのアドバイスを行わせていただきます。

週1~月2回ほどの間隔で定期的に通院していただき、経過を追っていきながら、その状況に合わせて内容を再検討していきます。

楽しくリハビリに参加していただきたいので、飽きないようにトレーニング内容もいろいろご用意しております!

当院看板犬のニコちゃん(トイプードル・現在13歳)は、週2回のマッサージ、バランスや体幹トレーニング、オゾン注腸療法を行っています。

時々足の古傷が気になる時もありますが、マッサージ後は楽になるようですよ。

いつまでも楽しくお散歩が出来るように、しっぽをたくさん振れる楽しい生活が出来るように、サポートいたします♪

※リハビリのご相談は、事前にお電話にてご予約いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

しみず