2018年03月09日

環境省『人とペットの災害対策ガイドライン』における、災害時の『同行避難』と『同伴避難』とは?

こんにちは。
獣医師しみずです。

今年の3月11日で、東日本大震災から7年になります。
昨年秋に仙台市のお隣、名取市閖上(ゆりあげ)に行ってきました。
慰霊碑に手を合わせ、かさ上げ工事が進む中、流された歴史ある松林の跡地にたくさんの松の苗木が植えてあるのを見ました。
日曜恒例の朝市はにぎわっていて、焼魚のいい香りがしていました。
(魚屋さんの裏には、買った魚介類をすぐに焼いて食べることが出来る場所が用意してあるんですよ)

改訂された環境省『人とペットの災害対策ガイドライン』における、災害時の『同行避難』と『同伴避難』について

さて、災害時にペットと避難する時のシュミレーションをしたことはありますか?
先日環境省は、熊本地震の課題をふまえて今までの避難指針を改訂し、『人とペットの災害対策ガイドライン』を発表しました。
今までも環境省は、災害時にはペットと飼い主の『同行避難』を推奨していました。
しかし、今回の改訂ではその『同行避難』と『同伴避難』についての考えが整理されています。

『同行避難』は、『ペットと一緒に安全な場所まで避難する行為(避難行動)』
『同伴避難』は、『被災者が避難所でペットを飼養管理すること(避難状態)』

今回の改訂では、災害時はペットと『同行避難』することが基本にあるとしつつ、『同行避難が、避難所でペットと一緒に過ごすことを意味するものではない』と言うことが明確化されました。
これは、同行した飼い主が避難場所でペットと一緒に過ごせるかどうかは、避難所ごとに判断され、状況によっては在宅避難も選択肢となるということです。
つまり『災害時もペットとの避難は飼い主が責任を持つことであり、そのためにも日頃からの準備が重要である』としています。

飼い主として、日頃からペットのために何をしておいたらよいのでしょうか?

<飼い主が行うべき対策の例>
・住まいや飼養場所の防災対策
・ペットのしつけと健康管理
・不妊・去勢処置
・ペットが行方不明にならないための対策(鑑札・迷子札・マイクロチップ等による所有者明示)
・ペット用の避難用品や備蓄品の確保
・避難所や避難ルートの確認等の準備
・避難所以外の避難先やペットの預け先の確保
・飼い主同士の共助のためのコミュニケーションと良好な関係の構築
・避難訓練への参加と家族単位の避難訓練(シュミレーション)の実施
・携行できるペット情報のまとめ(治療記録、ワクチン接種歴など)

<災害時>
・人とペットの安全対策
・避難が必要な際のペットとの同行避難
・避難所や応急仮設住宅におけるペットの適正飼養(飼育マナーの遵守と衛生管理、ペットの健康と安全の確保等)

いかがですか?
また、基本的な予防接種やノミダニの予防、ケージで過ごすことが出来るということも必要なことですね。
当院でマイクロチップは入れることが出来ますので、ご希望の方はお問い合わせください。
改訂版の『人とペットの災害対策ガイドライン』は、環境省の動物愛護管理室ページで公開されています。
ぜひご覧ください。

ちなみに…

私は『みんなに可愛がられるペットに育てる』と言うテーマで、我が家のはな(ヨークシャーテリア・3歳)を育てています。
例えば、近所の方や小さいお子さんでも撫でることが出来る子。
はなは1.3㎏の極小犬なので、お子さんには頭でなく背中を撫でてもらうようにしています。
まだ2歳になったばかり位のお子さんでも、「優しくなでてあげてね」と言うと、穏やかになでてくれます。
それによって、『清水さんちのワンちゃん』から『はなちゃん』と認識してもらうことが出来ます。
近所の方から、犬好きを一人でも増やすことがはなの使命であると考え、家族で日々『犬活』をしています(笑)

性格的にシャイな子もいますね。
そういう場合は、毎日お散歩に行くことで地域の方と顔を合わせ、ペットを地域の一員として認めてもらうことが、いざという時の助けになると思います。

まとめ

緊急避難時、人だけでも大変な中、ペットは飼い主の精神的肉体的な負担になったと言うデータがあります。
しかし、時が経つにつれペットの存在は人の心の安らぎになったというデータもあります。
大切な家族のために、この機会に考えてみましょう。

しみず

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