2017年07月06日

イヌとネコの食の豆知識②~味の好み編~

こんにちは。獣医師しみずです。
福岡県や大分県の大雨で被害にあわれた方に、心よりお見舞い申し上げます。

さて今回は、イヌとネコの食の豆知識~味の好み編~ をお伝えします。

ポイントは【におい】と【味】!

ずばり!イヌやネコが美味しい♪と感じるポイントは【におい】と【味】です。
味にもいろいろあるので、ひとつずつ説明しましょう。

苦味は苦手…

イヌとネコは苦味はキライです。
苦みに対する拒否反応は、
ウサギ・ハムスター>イヌ>ネコ
と言われています。

イヌとネコの食の豆知識①~食べ方編~でお伝えしたように、ネコは【肉食動物】です。

ご覧になっていない方はコチラ↓↓↓
http://utsukushi-ah.jp/2017/06/19/%e3%82%a4%e3%83%8c%e3%81%a8%e3%83%8d%e3%82%b3%e3%81%ae%e3%80%8e%e9%a3%9f%e3%80%8f%e3%81%ae%e8%b1%86%%9f%a5%e8%ad%98%e2%91%a0/

一説によると、ネコは鮮度が落ちると増える【ヌクレオチド】と言う物質がキライで、このヌクレオチドは苦みを感じると言われています。
だから、ネコはちょこちょこと小さな動物を狩って、新鮮なうちに食べるんですね。

甘味はイヌだけ!

イヌは甘味が大好きです。
しかし、ネコは甘みを感じません。
それは、イヌの舌にはショ糖に反応する味蕾の数が多いのですが、ネコの舌には「ない」からです。

酸味もイヌだけ!

イヌもネコも酸味を感じることができます。
イヌは一般的に酸味を好みますが、ネコは一部の酸味の物質に拒絶反応を示します。

塩味は ほどよく♪

植物にはミネラルの【カリウム】が多いのですが、【ナトリウム】が少ないです。
草食動物は適度の塩味を好むので、ナトリウムを補います。
(牧場に行くと牛が塩をなめていますよ)
これに対して、イヌやネコなどの食肉目の動物は、共通して高塩分を好みません。
その理由は、肉に適度の塩分が含まれているためと考えられています。
人間の食事は、イヌやネコにとって高塩分なものが多いですね。
塩分は心臓や腎臓にもよくないので、人間の食事はあげないようにしましょう。

においは重要?!

イヌの味の好みにおける嗅覚の役割は、ヒトに比べてはるかに大きいものです。
イヌよりやや劣りますが、ネコも同じです。
イヌもネコも目の前に目新しい食べ物を置かれると、それを口にする前に、さんざんにおいを嗅いでみますね。
でも、嗜好において味覚以上に嗅覚が重要であることを示す証拠は得られていないんですよ。
身近なことなのに、まだまだ科学で解明されていないことはたくさんあるんですね。
においの成分の多くは脂溶性で、脂肪との関連が深いので、脂肪は味の好みに強く影響します。
ネコは牛脂や豚脂などの動物性油を好み、ココナッツ油のように中鎖脂肪酸の多い植物油はキライです。
一方イヌは特定の脂肪や脂肪酸に対する拒絶反応はありません。
これは、イヌが腐肉食者で、どんな食料でも今食べておかないと!と言う昔のなごりなのかもしれません。
でもあまりに脂っこい食べ物は好きではありません。
また暑気払いに霜降り肉~♪と言うのは、おなかを壊してしまう可能性が高いのでやめましょう。

食欲が落ちているときには一工夫をしてみましょう!

入院しているワンちゃんやネコちゃんは、食欲が落ちていたり、手術のための絶食で久しぶりの食事という場合もあります。
そのような時には、回復期に食べる美味しい食事を少しずつあげたり、消化の良い食事を人肌程度に温めてあげるとよい香りがしてよく食べてくれます。
ペットホテルお預かり中、緊張してご飯を食べてくれないコもいます。
そのような時には、おうちから持ってきていただいた食事に、仲良しの印にちょっと美味しい食事をトッピングしてあげることもあります。
病院はワンちゃんやネコちゃんにとって行きたい場所ではないかもしれませんが、少しでもワンちゃんやネコちゃんの病院のイメージアップのために、いろいろ工夫をしています。

これから暑い季節本番ですね。
おうちでも、水分補給のためにドライフードに水を加えてあげたり、温めて香りを出してあげたりして、暑さを乗り切りましょう!

獣医師しみず

 

 

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