2017年11月06日
シーズンの終わりのフィラリア予防を忘れずに!
こんにちは。
秋も深まり、病院前の保木公園の木々も色づいています。
お散歩にいい季節ですね♪
11月・12月もフィラリア症予防のお薬を忘れずに!
『フィラリア症』と言うと、『蚊が媒介する病気』だから『夏の間にお薬をあげれば大丈夫!』と思っていませんか?
しかし、冬になり 蚊が見られなくなってから1か月後 にも、フィラリア症予防薬を投薬することが重要なんです!
蚊がいなくなり感染の心配がなくなっても、投薬しなければいけない理由を説明しましょう。
蚊がいなくなったのに、なぜお薬を飲まなきゃいけないの?
フィラリアの幼虫は脱皮を繰り返しながら発育して成虫になります。
そのすべての発育段階で100%駆除できるわけではありません。
犬の体内に入るときはL3、その後L4、L5と成長して成虫になりますが、『L4』という発育段階以外では十分に駆除することができません。
つまり、予防薬を毎月投与しても、実は一部の幼虫はL3のままでいるために、完全には駆除できないのです。
しかし、その1ヶ月後にはそのときに生き残った幼虫がL4に発育しているため、1ヶ月後の投薬で駆除することが可能になります。
これが、毎月あるいはシーズンの終わりに蚊が活動を停止していても1ヶ月後に投薬する理由です。
シーズン最後の投薬は12月がよいでしょう!
蚊は気温が15℃以下になると活動が落ちて、動かなくなります。
本日11月6日の横浜の予想最高気温は21℃、予想最低気温は8℃です。
去年お散歩をしていたら、11月中旬でも蚊が飛んでいました。
そうすると、シーズン最後の投薬は12月に入ってからがよいことになりますね。
温暖化が進めば、投薬期間はもっと長くなっていくかもしれません・・・。
最後に・・・
犬への感染後約120日前後で未成熟虫は血管内に侵入し、成虫になって心臓および肺動脈へと移行します。
シーズン最後の投薬がきちんと出来ていないと、春の投薬開始までの間に成虫になってしまいます!
ですから、シーズン最後の投薬を忘れないようにしてくださいね!!
引用)ネクスガードスペクトラ(2017)日本全薬工業株式会社 メリアル・ジャパン株式会社
獣医師 清水